親権とは
親権とは、成年に達しない子どもを監護したり財産を管理したりする権利や義務のことをいいます。
まず監護に関する権利義務ですが、監護教育権と呼ばれています。
子どもに学校教育を受けさせる義務や居所指定権、職業許可権などがあります。
憲法にも定められている義務教育を受けさせる権利がここに含まれます。
それから財産管理権として、未成年の子どもの財産を管理する権利義務があります。
たとえば未成年の子どもがスマホを契約しようとしても同意書が必要になります。
1人暮らしをしたいからと勝手に賃貸物件を決めてきても保護者の同意なくして賃貸借契約が成立することはありません。
同意書にサインしたりする保護者の役割を財産管理権といいます。
婚姻中の夫婦は共に子どもの親権者となります。これを共同親権といいます。
離婚しても夫婦共同で子どもの親権者となる制度を離婚後共同親権といいます。
しかし日本は離婚後共同親権制度を採用していないので、離婚するときに夫婦どちらが子どもの親権者となるのか決めなくてはなりません。
とりあえず離婚してどちらを親権者にするのか、子どもがある程度大きくなってから決めればいい、という形式は認められていません。
離婚届に[親権者]を記入する欄があるからです。
夫婦の話し合いで意見をまとめ離婚することを協議離婚といいますが、話し合いの段階で親権者をどちらにするか決まればいいのですが、意見がまとまらない場合、家庭裁判所に判断を委ねることになります。
家事事件に関してはいきなり提訴することはできず、調停を経てからでないと離婚裁判は起こせませんから、まずは調停を申し立てることになります。
離婚調停のなかで離婚することは合意できても親権者が決まらない場合、調停そのものが不成立になり、審判離婚に持ち越されることになります。
フィギュアスケートの安藤美姫のようなシングルマザーの場合、母親が単独親権者になります。
父親がその母親と婚姻することになった場合の認知準正や、既に認知されていたが実父と婚姻する場合の婚姻準正の場合などは
準正という法律行為を介して親権者となることができます。
親権に関するよくある質問もご覧ください。