婚姻費用の滞納は離婚の理由にできるか
『別居して3年。離婚をしたいが、婚姻費用の滞納を離婚の理由にできるか』
婚姻費用は衣食住にかかる費用や、医療費、子供の教育費など結婚生活を送っていく上でかかる費用の事です。
夫婦は婚姻費用を分担する義務があるので、妻が収入がない場合や、夫の収入より少ない場合は夫は妻に生活費を払わなくてはいけません。
裁判で離婚できるかどうかは、民法の定める5つの離婚事由に当てはまるかどうかによります。
婚姻費用を払わない、つまり生活費を渡さないのは、どれに当てはまるでしょうか。
扶養の義務を果たしていない点から悪意の遺棄が考えられます。
しかし、実際は生活費を渡さないことが悪意の遺棄が認められるのはそれほど多くないようです。
悪意の遺棄と認められるのは、倫理的社会的にかなりひどい行為なので、それよりは婚姻を継続しがたい重大な事由とされる判断される事もあるようです。
この場合も別居してからの年数や生活費を渡さないこと、他にも婚姻関係が壊れてしまって修復不可能と思われる状態であることを示せば、婚姻を継続しがたい重大な事由と認められる可能性はあります。