不倫の慰謝料請求からみる弁護士の見分け方

不倫の慰謝料請求と離婚に強い弁護士に関して考えてみたいと思います。

例えば、夫の不倫が原因で離婚を決意し、ネットで離婚に強い弁護士を探し無料相談に行ったとします。

そこで弁護士が
「夫の不倫が原因で離婚するのですから、不倫の慰謝料として500万円請求しましょう」
と言ったとします。

あなたはどう感じますか。

「さすが離婚に強い弁護士、夫から慰謝料500万円も取り上げてくれるのか」
と思いますか。

おそらく離婚に強い弁護士という先入観を持っているとそう思うかもしれません。

しかし不倫の慰謝料の相場は100万円から300万円です。
現実的に不倫の慰謝料として500万円も取るのはかなり難しいです。

判例など見ても500万円請求したけど100万円ということもあります。

それが立派なビルに事務所があって、弁護士が何十人もいる法律事務所で、実績が豊富で離婚に強いとうたっていたりすると、500万円くらいは取り上げてくれると思ったりしてしまいます。

こういう弁護士は説明不足です。気をつけた方がよいです。

離婚に強い弁護士だからといって、相場の2倍も3倍もの慰謝料が取れるということはないのです。

さてここで弁護士が最初に言った言葉を思い出してみましょう。
弁護士は「不倫の慰謝料として500万円請求しましょう」と言っただけで「500万円獲得できますよ」とは言っていないのです。

ですから500万円獲得できず、100万円で解決しても、弁護士はウソをついてはいないのです。

しかしこれは
「弁護士は500万円取れると言っていたのに結局100万円しか取れなかった」
と後になってもめるパターンです。

正しくは
「このケースでは不倫の慰謝料としては100万円から300万円でしょう。しかし最初から妥当な額を請求しては交渉にならないので、最初は500万円請求して様子をみてみましょう」
というのが誤解を生まない正しい説明です。

もしあなたが不倫の慰謝料は100万円から300万円と知っていれば、弁護士が「これなら500万円取れますよ」と言っても「不倫の慰謝料は100万円から300万円と聞いていますが、どうして500万円も取れるんですか」と逆に質問できます。

その理由がしどろもどろだったりすれば、離婚に強い弁護士とかいっているけどあやしいな、と気付くはずです。

ですから予備知識というのは必要なのです。

それと離婚に強い弁護士だからと言って相場を大きく超えるような慰謝料は獲得できない。ということは理解しておいてください。

ただし、交渉では相手がこちらがふっかけた請求額でも「それでいいよ」という場合もあります。でもそれはレアケースで、相手も弁護士を立ててくれば相場で落ち着くのが普通です。

ですから離婚に強い弁護士の見分け方うえでも不倫の慰謝料の相場は覚えておいてください。